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礼装につきものの家紋も、付下げや小紋の縫い紋(刺繍)や伊達紋(創作紋)のようにデザインとして楽しむことができます。礼装以外はあまり堅苦しく考えなくともよいでしょう。 |
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のはじまりは、平安時代の中期であろうといわれています。公卿の束帯や唐衣裳装束(十二単)などは、色目や文様によって身分や位が示されましたし、家具や牛車(御所車)などには特別の文様をつけることによって、自分の家の目印としていました。このような標章は次第に家紋として定着してゆきます。 |
一方、武家では戦いにおいて、敵味方の識別として「旗印」が用いられましたが、やがてそれに一族や一党を示す印を付けるようになり、家紋として成立します。一族の名誉の象徴が家紋なのです。その結果、大きく家紋を染めた「表襖」や「大紋」といわれる武家の道具が作られ、武家の礼装には必ず家紋がつけられることにもなりました。 |
江戸時代になると、町人の間にも広がって、季節の花や、文字や図様に基づいた「伊達紋」や、男女が互いの家紋を組合せた「比翼紋」などをつけたといわれます。 |
町人の紋は、むしろ装飾的感覚により発達したといえます。やがて武士の紋付は平常の外出着となり、町人も祝儀用の羽織やきものには必ず紋をつけるようになりました。その頃の紋は大きく、明治・大正にやや小さくなり、現在では、男物が3.5〜3.8cm、女物が2.6〜2.8cmとなっています。 |
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五つ紋
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第一礼装用で、背中心、両外袖、両胸の五ヶ所につけます。黒留袖、喪服、男性の礼装用です。 |
三つ紋
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準礼装となり、背中と両外袖に付けます。 |
一つ紋 …… |
最も略式で、色無地や黒絵羽などの背中だけに付けます。 |
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染め抜き紋
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布地に白く染め抜いて紋を表わす方法です。 |
日向紋(表紋)
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格式の高い紋で礼装用です。紋を白上げにして細い線で割を入れます。 |
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陰 紋(裏紋)
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略式紋で日向紋と反対に、細い割線を白く染め抜きます。女紋とも呼び、色無地、江戸小紋、紋付羽織などに用います。 |
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縫い紋
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ししゅうで表わす方法です。けし縫い、すが縫い、じゃばら縫いがあります。略式として用います。
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花紋
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加賀紋とも呼ばれ、友禅風に彩色した大きく(5cm程度)華やかなおしゃれ紋で、花を主として、動物や器物などを組合わせたものもあります。 |
はりつけ紋
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無地のきものに新しく紋を付ける時、ついている紋を替えたい時などに用いる方法です。きものと同地質の布に紋を描き、はりつけて目立たないようにかがります。切付紋とも呼びます。 |
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